しのだちぃ

元アートディレクターです、独自のイラストを添えて連日更新しております、、

多少は、不便でもいいと思うこの頃、、



今日も雨がつづく、、
わたしは外を眺め、ふっと思った、、
やはり、わたしが住むこの町は世の流れから
いち早く取り残されている思いがした、、


わたしがこの地区に引っ越しを決めたのは、
福岡の天神まで近いことに加え、
必要なものは何でも揃っている町に思えたから、、


それは、かれこれ15年前のはなし、
当時は300m先にスーパーが二店舗並び衣料品まで
取り揃えていたし、そのちょうど中間に銀行のATMが
あったのに、今はそれもなく残っているのは、
11階建ての古い団地が並ぶ通りにスーパーが一店だけ、、





そのスーパーは団塊世代が利用するスーパーで、
年中同じお惣菜が並べて、レジで支払いにもたつく
馴染みのお年寄りを待っている、、
天ぷらなどはコッテリと油がまわったものばかりで、
食べれなくはないが美味しいとは無縁の代物、、


一足伸ばせば、活気あるA商店街があった、
活気あふれるオジサンたちの店が軒を連なれていた、、
それもコロナ禍以降、すべての店がシャッターを下ろし
改装中の告知をしたまま、2年が過ぎようとしている、、


ここでわたしは、お布団や枕、スニーカーなど、
必要なものはすべてこのA商店街で揃えていたのに、
今は欲しいものを買うには、地下鉄に乗って、
一駅先の街まで出掛けなければならない、、





それにはA商店街前の通りをチャリで通ることになる、
わたしは時間を見計らってから家をでる、、
この地域は、西と東に女子高と小学校の2校があって、
3時半から4時にかけての帰校時には小学生が声を張り上げて
この道を走りまわる、、


5時過ぎには、高校生が左右いっぱいに道を埋めるから、
自転車の操作に自信がないわたしは気が気ではない、、
先日も、小学生のちっさい男の子が、
わたしが停めているチャリの前でふざけていて転んだ、、


わたしは、あ、ぶつかると察知して
事前にチャリを停めていたからわたしは悪くない、
なのにその子はランドセルを枕にして勝手に転んだ、、


ケガはない、すると傍にいた小母ちゃんが、
「あなた、笑ってないで起こしてあげなきゃ!」と、
いかにもわたしがチャリでぶつけたように云うのです、、
わたしは唖然とする、え、わたしのせいなの?、、




近くいた女子高校生が、
「この子がよそ見しながら走っていて転んで、
小母ちゃんの自転車にぶっかったのです、、」
とフロォーしてくれた、
もちろん小母ちゃんとは、わたしのこと、、


帽子を被って、マスクをしておれば、
女子高校生にはシワで垂れ下がったわたしの
口元はわからない、、
小母ちゃんと云われたのは久しぶりで、
話し相手のいないわたしには心地よく聞こえた、、


この道はもうすぐ桜並木に変わる、
残念だけど避けた方がいい、
ヘタするとわたしがチャリごと転ぶだろう、、


多少は、不便でもいいと、
わたしは15年も通い慣れたこの道からお別れして、
通りの向こうに並行する道をチャリで行くことにした、
わたしの身に何ごとも起こらないように、、





Cœur de pirate - La vie est ailleurs (Version officielle)


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