しのだちぃ

元アートディレクターです、独自のイラストを添えて連日更新しております、、

いつかまた、GWにそのようなことがあれば、、


これは書籍ではありません、▲わたしの挿絵です、、



いつかまた、そんな注文が来ればと、
願うこともあるけど、あればあったで、
わたしは、この歳ではもうムリだと言って、
たぶん尻込みする確率はかなり高い、、


わたしがフリーだった昔のこと、
代理店から競合にエントリーして欲しいとの
要請にわたしは、そのテーマに合わせて
鉛筆で描いたサムネールの二点をFAXで送った、、


クライアントは、、
「う~ん、そうだなぁ、ここにさぁ、
こんな感じのやつを描き足してくれないかなぁ、、」
とクライアント自ら描いたメモを出した、、
クライアントの注文は絶対で、断れば確実に
レギュラーから下ろされる、、





わたしは、それを了解して、
ゴールデンウイークは寝る間も惜しんで
描き続け、何とか期限に間に合わせた、、


競合に勝たなければ原稿料は二束三文、
それが広告業界の暗黙のルールだった、、
わたしは、「こんな風に仕上げれば
落ちる確率は高いですよ、」とも進言した、、


わたしはゴールデンウイークを、
これに費やすのですから、
不採用だったら割に合わない金額だと言い、
そうなればその原稿代は無用ですので、
サムネールと仕上げた作品は返して欲しいと、
わたしは交渉した、、





クライアントは競合とはそんなもんでしょう、、
我々も話しがあれば断れない、
落ちれば何もない、競合は付き合いのようなもの
と云いはしたけど、少し間をあけてOKだと云った、、


「それはそうだけどさぁ、ここをこう描いてと、
アイディアを出したのは、わたしですよね、、
このイラストを商用化すれば、
とうぜん当方にいくらかの版権が発生するけど、
それでいいなら、約束してお渡ししましょう、、」
とのことだった、、



クライアントは何かにつけて
利益を得ようとする根性には恐れ入る、、
結果は競合に落ちてしまった、、
そしてクライアントは悔やむように、
「いや、ごめん、わたしが口を挟まなければ、
通っていたかも、、」と云った、あの時、、


わたしは数年後、
広告が嫌いになって引退します、と公言した、、
今後そのようなことがあったとして、、
今は、そこまで描く根性も気力も集中力もない、、
それが、たとえ趣味だとしても、
10日間のゴールデンウイークだったとしても、、





Hey Paula - Paul & Paula (played on guitar by Eric)


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