しのだちぃ

元アートディレクターです、独自のイラストを添えて連日更新しております、、

あの遠い地で、わたしは何を、、


これは書籍ではありません、▲ 単なる挿絵です、、


わたしは、遠いあの日のことを思い返すことがある、、
それは、かれこれ30数年前のこと、、
サンディエゴからロサンゼルスに移り住んだわたしは、
毎日凝りもせずバスで、サンタモニカに通うと、
海辺のバス停に降り立った、、


ここは、むかし桜田淳子が(きてきてサンタモニカ~♬)と
歌っていた日本人にも馴染のある街、
海にかかる大きな桟橋に観覧車が太平洋に向かって突き出て、
浜辺ではひときわ大きな男女が寝転がって寛いでいる、、




サンタモニカ


ときおり砂を巻き込んだ海辺からの強い風が
幾度となくわたしの髪に纏わりつくのがイヤで、
わたしは海辺のメインストリートを避けて
少し入りこんだ商店街を散策するのを日課としていた、、


サンタモニカでは特にあてもない、
ロサンゼルスでは何の成果も得られなかったので、
わたしはここで何か違った感覚を身につける目的もあった、、



サンタモニカビーチ


お土産屋の店先に多くの漢字が掲げられている、
わたしはしばらく、それを観察していた、、
かれこれ50ほど並べられた漢字はタトゥーを
彫るための見本で並べてあった、、
わたしが、ふっと気が付いたのはの字に
heartと記されていたこと、、


えっ!?う~ん、これがこころだとすると、
わたしが思うに、刀で右肩から左脇にかけて
一刀両断に袈裟懸けされたになってしまう、、
それは死に体であって、つまり心なしになってしまう、
にこころの訳がなければ必は心より
迫力があるのにと、わたしはどうでもいい解釈をした、、




でも、わたしは笑えなかった、、
笑えない節が、わたしにはいくつもあった、
当時のわたしは、かなりいい加減なな英語を使っていた、、


とある商店でわたしはアレコレ手にしてみた挙句、
何も買わず定員さんに日本人特有の曖昧なニュアンスで、
「今度、また来ますね!、ありがとう、」と店を出た、、


すると金髪のお姉さんが追いかけてきて、
「今度って、いつ来るの!?気に入った商品があるなら、
キープしとく!、」と言って、
わたしはしつこく問いただされたのです、、



そうだとすれば、また来ます!はコレも
心ない言葉だと、わたしは恥ずかしながら反省して
サンタモニカの店先に掲げていた漢字のを、
わたしは心なしか笑ってすませることにした、、


そして、年老いたわたしは今は何もすることがなく、
遠いその当時を思い浮かべ、やはり福岡の街がいいと決め、
忘れてしまった今さら必要のない英語を、
わたしは寂しさを紛らわすように何度も口ずさんでいる、
これは、絶対にボケ防止になるとわたしはそう信じて、、





Hey Paula - Paul & Paula (played on guitar by Eric)


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